おもかげ
もう30年も前の事。
ヤマハのボーカルプロコースにいる時に、自分で始めてちゃんとした曲を作った。
とはいえ学生時代にいろいろ作詞をしてはいたんだけれど、5つ上の姉が見てはボロクソに言われていたから、どうも苦手意識がついてしまってた。
当時の僕は5年以上付き合っていた女性と別れて2年も経つというのに、女々しいというか立ち直れずにいて、あれから女性とは(身内意外とは)いっさい会話をしないという閉鎖的な男になっていた。
わかれた原因はドラマじゃないけれど、相手の親に、『うちの財産目当なんだろ、君とはうちとでは身分が違う』と罵られ引き裂かれた。
そして彼女は親の薦める男性と結婚。
まだ学生だった僕には、信じられない事だった。
でも、本当に悔しかったなぁ。
それだけに素敵な彼女の事が忘れられず、曲にした。
曲名は『おもかげ』
年明けの1月6日、彼女から僕の姉からお店をやってることを知ったというメールが来た。
なんとうちの姉とはずっとつきあいが続いていたという。
もうこんなに時間がたってしまうと、辛いことよりも懐かしさの方が強くなって、ちょっと強引だったかもしれないけれど、馬車道に姉が来る日に合わせて彼女を誘った。
なんと、30数年ぶり。
彼女は昔のままだった。
逆に彼女より痩せていた僕がこんなに太って髪もなくなったというのにね。
なんとお孫さんが4人もいるという素敵なおばあちゃん?になってました。
懐かしさのあまり、お互いに話がはずんでた。
その間に何度もごめんね、と云う彼女。
もういいじゃん。僕はこうして会えただけで幸せなんだから。
そして、彼女の前で『おもかげ』を歌った。
彼女は泣きながらとっても喜んでくれた。
歌い終わって、彼女に1枚しかない楽譜を渡した。
もう、この曲は歌わなくていいと思ったから。
彼女にやっと渡せた僕の青春時代のプレゼント。
・
今回、彼女に了解を得て、この曲に当時の二人の写真を載せました。
『おもかげ』という曲にあわせた、20歳の頃のとっても幸せな僕たちです。
(1枚、吉田拓郎さんの79年、篠島コンサートの2ショットが入ってます)
再会の記念としてYoutubeにUPさせていただきました。
良かったら聴いてください。
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