真奈美ちゃん
自ら命を絶つ人。
まだ生きたいと願いながらも命を失ってしまう人。
先日一人の女性がなくなりました。
知り合ったのは1ヶ月前の事。
ガンセンターに勤める看護師さんが「今日私の患者さんで、先生から本人と家族に余命宣告をされてとても悲しんでいたのを見てとっても辛かった」という話を聞き、何故かわからないけれど翌日、僕はその女性に会いに行った。
『まだ死にたくない 怖いよ』と僕に泣きながら言った。
初めての出会いにもかかわらず僕達は何故かとても自然に手を握り3時間にわたって死について、これからの過ごした方についてなどを話し合った。
そしてその日から僕は彼女との電話とメールのやり取りの付き合いが始まった・・・・・・
治療のすべを無くした彼女は、3日後余儀なく退院する事となったが、即、下血の為自宅近くの病院に運び込まれた。
病院に向かった僕に彼女は『ありがとう』って・・・・
『僕に会うと頑張れる』って痛みと苦しみに耐えながらも笑顔で答えてくれた。
入院を薦められたけれど彼女は家に帰りたいって入院を断った。
そして僕に『私ってわがままかなぁ』って聞いてきた。
今さらやんちゃな真奈美が何言うんだいって僕は笑って言葉を返した。
辛い中でも彼女は僕に会うと喜んでくれて素敵な笑顔を返してくれてた。
食事も取れなくなってみるみるうちに体力を失っていく彼女に『なんでもいいから食べないと病気に負けちゃうぞ』と言った僕の言葉を聞き、僕に誉めてもらいたいからって一口ずつだけれど一生懸命に食べてくれてた。
『頑張ってるよ・・死にたく無いからね』って
でも、日を追う毎に彼女の様態は悪くなるばかりだった。
様態が急変する度に僕はカブで片道1時間強の道のりを走った。
彼女に頑張って欲しくてとにかく無心で向かった。
初めて会った時に既にガリガリに痩せていたはずなのに脂肪というものがついていないくらいの身体になって彼女は逝った。
『元気になってお店に行くからね』
僕がプレゼントしたTシャツを胸に当ててそう言ってた。
僕のCDをいつも聞いてるよって。
頑張るから、今度また別の曲を録音して来てねなんて約束をしたり、やんちゃな事や馬鹿な話もいっぱいいっぱいして、いっぱい笑ってた・・・・・・・・・・
十五夜の日にはふたりして違う場所から綺麗な月を見ながら話したね。
今度は桜を見ようねって・・・私頑張るから。
まぁちゃんありがとう 私、まぁちゃんを信じてる。
だからいっぱいパワー
をちょうだい。ってよく言ってたね。
そんな願いも叶わず彼女は逝ってしまった。
ほんの1ヶ月の間の事でしたが、僕には忘れられない出来事です。
でもね。彼女は今も僕のそばに来てくれます。
『まぁーちゃん』って時折声をかけてくれています。
逆に今は励まされているんですよね。
ありがとうね。真奈美ちゃん。これからもよろしく。
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生命の終止符を打つ時にはいろいろな形がありますが、自殺者には逃避という安易でかつ周りの人の事を無視した利己主義な考えが強いと思います。
自分の苦しみをわかって欲しいくせに他の事を考えられなくなってしまっているなんてとっても悲しい事だと思います。
でもそれもひとつの病気なんですよね。
そんな時はちゃんと治して生きていこうね。
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